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銀イオン水とは
銀イオンとはその名の通り水中に「銀イオン」を含んだ水のことです。銀イオンはAg+とも表記されたりします。
銀は元素記号でAgと表記されますが、電気や薬品の効力が及ぶことで銀から電子が外れ陽イオンへと性質を変化させます。この陽イオンとなった物質が銀イオン(Ag+)となります。
ナノサイズよりもさらに小さいピコサイズという単位の銀イオンを水に溶け込ませることにより、殺菌や抗菌作用が期待できる水溶液として最近では「除菌消臭スプレー」に使われたり、「水道の浄水器」や「洗濯機の洗濯水」などにも採用されている技術です。
銀イオンが浄水器にも活用されているという事は日常的に飲用水として摂取している事にも繋がるのですが、銀を飲んでいると考えたら突然心配になるのではないでしょうか?
銀には下記のような基準が様々な機関で定められており、日本に関しては指標値は決められていませんが、それだけ銀イオンの安全性は認められているという事にも繋がるのです。
▫日本水道法 銀に対する水質基準の指標値なし
▫米国のFDA(食品衛生基準局)0.1ppm以下
▫UPEPA(米国環境保護庁)飲用水基準 銀 0.01ppm以下
▫WHO(世界保健機関) ガイドライン値 微量のため毒性なし
※1ppm=1リットルの中に約1mgの銀が溶けている状態
銀イオン水の種類
銀イオン水には複数種類があるのですが、「電気分解」もしくは「ゼオライト」を用いた生成の方法が安全性に優れており、この2種類の銀イオン水しか製品としては活用されていないはずです。
「硝酸銀」と「過酸化水素水」を用いた銀イオン水に関しては、そもそもの使用目的が異なり人体への危険性がありますのでご注意ください。
電極系(電気分解)
銀の電極に電流を流すことにより、銀イオン水を生成する方法。電気分解で生成した銀イオン水の方が抗菌力や殺菌力が強いとされとおり良質だと言えます。
今までは電気分解による方法は大量生産が難しいとされていましたが技術の進化により、銀イオンが消費者にとって身近な物となっています。
ゼオライト銀
ゼオライトとは火山活動によって作られた多孔質(小さな穴が空いた状態)の天鉱物です。
ゼオライトは吸着性に優れているため、不安定な銀イオンを付着した状態で保持することができます。安全性は高いとされています。
硝酸銀
銀を硝酸に溶かし、さらに水を加えたもの。
危険性が高く日本では毒物及び劇物取締法に指定された物になっています。硝酸銀は水イボの治療に使われたりしています。
過酸化水素水
銀を過酸化水素水で溶かし、さらに水を加えたもの。
危険性が非常に高く日常的にこの方法で銀イオン水を活用する事はまずありません。
ちなみに過酸化水素水は濃度が高くそのまま消毒で使われる事はありませんが、濃度を薄めて提供されている製品はオキシドールになります。
オキシドールは傷口の消毒などに使われるので取り扱いには問題ありませんが、過酸化水素水との違いは理解しておくようにしましょう。
人体への危険性は?安全な物質?
銀イオン水は危険じゃないの?人体に悪影響があるのでは?と銀に対して悪いイメージを持っている方は多いのではないかと思います。
結論から申し上げると銀イオン水は「銀イオン水とは?」でも述べたように日本では有毒性が認められておらず、浄水器などにも使用されるほど安全性のある物質となります。
日本には銀と似た名前に「水銀」という物質が存在していますが、これら2つの物質はまったくの別物となります。
日本の歴史には水銀の影響を受けた「水俣病」が有名な病名でもあり、水俣病=銀の影響と無意識にイメージしてしまうことが関係していたり、金属自体を体内に取り入れるという事が悪い事だと想像してしまう事が普通の考え方でしょう。
水銀に関して詳しく説明すると、見た目が銀のようにシルバー調の光沢を発することから水銀との名前が付けられた元素とされています。
水銀の元素記号はHgとなり、銀のAgとも異なります。
水銀は魚介類から間接的に体内に摂取される可能性が高く、まさしく水俣病も同じ原理によって流行が起こりました。
水銀が体内に取り込まれると神経障害が引き起こされるとされており、手足や顔面の痺れ、運動や言葉が思うようにいかなくなる症状が特徴です。
つまり、銀イオン水が安全なのかと言われれば銀イオン水は安全、連想される水銀は非常に人体に危険な物質だと認識をする事が非常に大切な事となります。
銀イオン水に効果はあるのか
銀イオンの安全性が分かった所で、そもそもどれくらい除菌や殺菌、消臭に効果があるのでしょうか。
- 菌への抑制効果
- カビ抑制効果
- 消臭効果
これら3つの項目から銀イオン水の効果をチェックしてみましょう。
菌への抑制効果
アリゾナ大学の研究結果では銀イオンが様々な菌やウイルスへの抗菌効果をがある事を証明しています。
下記のような有害物質に効果があるとされており、下記以外にも効果が認められている菌やウイルスもあるとされています。
ブドウ球菌
サルモネラ菌
赤痢菌
クレブシェラ
レジオネラ属菌
シュードモナス
ポリオウイルス
ロタウイルス
ヘルペスウイルス
引用元:銀イオンの特性
カビ抑制効果
家電製品を取り扱う大手メーカーのSHARPが発表した検証結果に銀イオンがカビ抑制に効果的であることが実証されています。
カビの菌とされている「クラドスポリウム」と「オーレオバシジウム」が100ppb前後の銀イオン水で24時間後に残存率がどれくらいあるのかという結果なのですが80%~99%減少させる効果がに期待できることが分かりました。
引用元:SHARP公式
消臭効果
消臭効果に対するデータの記載はありますが、実証実験の時間や匂いの量、銀イオンの量が分からなため参考程度の内容になりますが
- アンモニア
- メチルメルカプタン
- 硫化水素
これらの匂い成分に対してわずかな時間で激減したとの報告がされています。
引用元:オールガードプラス
銀イオンの生成方法
銀イオン水は「電気分解法」という水中に電気を流して銀イオンを発生させる方法が主な生成方法となっています。
最近では身近な商品にも銀イオン水が活用されており、SHARPの銀イオン給水ホースはシンプルな構造となっている為、非常にイメージがしやすい設計となっています。
引用元:SHARP公式
銀イオンを発生させる際は、電気制御により銀のプレートが溶解し銀イオンが生成されるのですが、使用していくと銀プレートが小さくなるためカードリッジの交換が必要になるとの記載があります。
引用元:SHARP公式
またTOSHIBAの洗濯機にはAg+抗菌水ユニットを洗濯水が通過することにより、効果を発揮するとの事でユニットの効果は10年間不要との記載があります。技術の詳細は不明ですが、このように様々なメーカーや製品に対して銀イオン水は積極的に活用がされてきているのです。
引用元:TOSHIBA公式
Ag+抗菌ビーズ
金属アレルギーについて
銀のシルバーネックレスやシルバーアクセサリーを身につけて金属アレルギーを発症した事がある方に関しては銀イオン水を使用することに抵抗があると思われます。
また日常的に銀イオン水を使用することによって金属アレルギーになってしまうのでは?このように不安視する声もありますが
そもそも銀は極め金属アレルギーになりにくい安全な金属である事を理解する事は重要です。
シルバーアクセサリーで金属アレルギーが発症する原因としては、アクセサリー内に含まれている「ニッケル」が溶けだしやすい成分となり、汗をかくことで塩素イオンがニッケルの溶けだしを加速させます。
また金に関しては、溶けだしにくい性質を持っているものの万が一溶けだして体内に吸収されると非常に被れやすい性質があります。
純銀に関しては、1987年東京都済生会中央病院皮膚科の研究結果により「銀でアレルギーに発症した人はいなかった」としており、銀は金属アレルギーを発症させにくい金属という事が証明されています。
スプレータイプの銀イオン製品が普及
銀イオン水は人体への影響もほとんどなく、安全性が認められているため近年では除菌、抗菌、消臭に効力があるとされるスプレーが商品化されて市場に普及してきています。
コロナウイルスの流行により、空間除菌の必要性が重要視されていますがアルコール消毒や次亜塩素酸水での除菌ではメリットデメリットがあるため、ちゃんとした使用法を理解していなければ人体への悪影響を及ぼしたり、逆にまったく効果を得られないなんて事も考えられます。
銀イオン水はアルコールと次亜塩素酸水のデメリットを補う事ができる空間除菌方法とされていますので是非ともこの機会に興味を持って銀イオン水の製品を試してみてもいいかもしれませんね。
銀イオンスプレーの効果的な使い方
銀イオン水スプレーを使用するにあたり、どのような注意事項があるのか確認してみましょう。注意事項を理解していれば効果的に使用出来ることにも繋がりますので要チェックです。
銀イオン水スプレーを使用する注意点は
- 水道水や漂白剤の成分が残っていると効果低減
- 噴射後に強く拭ったり、水道水がかかると効果低減
- 汚れがある部分に銀イオンが大量に付着すると淡い赤色に変色する可能性あり
- 水道水と混ぜると塩素イオンと結合し銀イオン効果がなくなる
上記のような内容が考えられます。
基本的に水道水と混ぜる事への注意事項となり、万が一混ざってしまったとしても銀イオンの効果が薄れるだけで、危険なガスが発生するといった内容ではありませんので安全性の高さが伺えます。
さすがに目に入ってしまった場合に関しては、危険性がありますので早急に目の洗浄を行うか、病院にて医師に診てもらうようにしてください。