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光触媒とは
光触媒とは光を照射させる事でOHラジカルが生成される物質の総称となります。
現在光触媒として使われているものは、「酸化チタン」と「酸化タングステン」が主で、その中でもほとんどが酸化チタンだと言われています。
酸化チタンは酸化鉱物というチタン鉄鉱から採取された物質になりますが、現実的には白い粉末状になったものが市場では購入できます。
化粧品に用いられる事が多く、被覆力(カバー力)、着色力に優れていることから、日焼け止めやスキンケア化粧品、ネイル製品などに欠かせない成分となっています。
酸化チタンは光が照射されると強力な酸化力を発揮してしまいますので、化粧品等で使用される際には表面処理が施され活性してしまわないようにされているのですが、光触媒として使用される場合は本来の強力な力を活かして有害物質から守る為のコーティング材として利用されています。
光触媒で除菌ができる仕組み
光触媒に光を照射すると、光触媒から電子が放出される特性があります。
放出される電子がマイナスのイオンとなり、放出した場所に正孔と呼ばれるプラスイオンが発生します。
この時に発生したマイナスイオンはO(酸素)へと作用しO2-(活性酸素)を生成します。プラスイオンはH2O(水)へと作用し・OH(OHラジカル)を生成します。
両者ともに生成後は光触媒の表面に溜まり浮遊することはありません。
これらの生成された活性酸素とOHラジカルが、菌やウイルス等の有害物質に接触することで分解作用が働き死滅させたり、抑制させることができるようになります。
光触媒から生成された分解素は
O2-がC(炭素)と結合しCO2(二酸化炭素)
・OHがH(水素)と結合しH2O(水)
というように無害な物質へと変化して自然界へと戻っていく仕組みとなるのです。
光触媒で使われる光源
光触媒はもともと388nm以下のUVランプでなければ、効果に期待が出来ないとされておりUV(紫外線)は人体にも影響を与える光源となる事や、小型化するのが難しく普及が進んではいませんでした。
しかしLED(発光ダイオード)ライトでも効果を発揮する「可視光応答型光触媒」が開発された事により、小型化が可能になり家電製品などの除去・消臭技術にも積極的な採用が行われています。
またLEDライトの特徴である超寿命なメリットもあり様々な製品でのLEDライトを利用した光触媒技術が普及してきています。
光触媒は消臭にも効果的
空間除菌を目的として光触媒コーティングが施されたカルテックの脱臭機は非常に評価が高く、消費者でも脱臭されている実感を感じる事は1番の効果証明に繋がると考えられます。
光触媒のメリットは光を照射すれば何度でも分解素を生成できることで、消臭力や除菌能力が衰えるという事はほとんどありません。
コーティングされている場合には、コーティングが剥がれることによる劣化や、そもそもの光源であるLEDライト等が寿命を迎えることで光触媒の効果が無くなることは考えられます。
消臭機能で良く用いられる物質としては「活性炭」が有名ですが、ここで光触媒の事をより知るために活性炭との違いを記載していきます。
消臭効果のある活性炭と光触媒の違い
活性炭とは炭素を主な成分とする物質(石炭や、ヤシ殻など)から作られるのですが、吸着効率が高まる人工的な処理を施したものになります。
このように活性炭は吸着効果に優れているため、ニオイの素となる成分を効率的に吸着してくれます。
空気清浄機のフィルターにも積極的に使われており、確実な脱臭効果に期待ができる物質となるのですが活性炭にはデメリットがあります。
活性炭は吸着できる量が決まっており、一定量を超えると吸着機能がなくなってしまいます。そのために新しく交換もしくは、手入れ可能であればお手入れをする事で活性炭の効果を維持できるようになる訳なのです。
光触媒は活性炭とは異なり、光源がないと効果を発揮する事はできませんが、条件を満たす光源さえあれば光を照射するだけで永続的に効果を発揮できると考える事ができます。
また活性炭は有害物質を強力に吸着してくれる反面、分解をする効果には期待が出来ません。光触媒は吸着効果に期待することは出来ませんが、有害物質の分解機能は強力なので互いに異なるメリットデメリットがあると言えます。
活性炭との組み合わせがベスト
光触媒技術の仕組みは何となく理解出来たのではないかと思われますが、光触媒機能が搭載されていれば除菌、消臭に対する効果が期待できると考えて問題はありません。
しかし光触媒の分解力を活かすためには、有害物質をキャッチする吸着機能が必要不可欠で光触媒のみでは大きな吸着機能に効果が出来ない可能性があります。
そのため、より効果的な製品を求めるのであれば、光触媒に活性炭を組み合わせた技術を採用した商品・メーカーから購入を検討するといいでしょう。