ダイキンのエアコンや空気清浄機でよく聞く「ストリーマ」って何の事だか気になりませんか?
雷みたいなロゴやイラストが使われていることが多く、何となく電気のような力でキレイにするんだろうとイメージしている消費者の方は多いです。
正しくそのイメージ通り高速電子を発生させることによって、菌やウイルス・ニオイを抑制できるのがストリーマ技術となります。
この記事ではより詳しくストリーマの仕組みや、有害物質を抑制するメカニズムをまとめましたので参考にしてください。
目次
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ストリーマとは
ストリーマは、「ストリーマ放電」という100,000℃の熱エネルギーに匹敵する高速電子を機器内部で広範囲に放出し、空気中に存在する窒素や酵素に放電させることで4種類の「ストリーマ分解素」を生成する技術です。
ストリーマ分解素には
- レイキ窒素
- レイキ酸素
- OHラジカル
- Oラジカル
上記4つがあり、これらの分解素には強力な酸化酵素があるとされています。
強力な酸化分解力があるストリーマ分解素が有害物質(菌、ウイルスなど)に接触することで分子構造を変化させ有害物質の効力を不活化させる事ができるとされています。
ストリーマ分解素の効力
ストリーマ分解素には4種類があると記載しましたが、その中でも「レイキ窒素」は強力な酸化酵素があるとされています。
他社メーカーのイオン技術では、「OHラジカル」が主力として有害物質の抑制を行いますがダイキンの技術では「OHラジカル」も生成はされていますが「レイキ窒素」が1番効果を発揮する分解素だとの記載がされており、ダイキンの公式カタログでは分解力の強さをeV(エレクトロンボルト)で表現しています。
eV(エレクトロンボルト)とは電子などのエネルギーを表す単位とされており、1eVが約10,000℃の熱エネルギーに相当するとされています。
▫太陽1個分の熱エネルギー
0.6eV
▫レイキ窒素
10~12eV
▫レイキ酸素
4.4eV
▫OHラジカル
4.3eV
▫酸素ラジカル
4.2eV
このようにストリーマ分解素は各種強力なeV値になっている事が数値を見て分かりますが、とくに「レイキ窒素」に関しては10~12eVと桁違いの参加分解力になっています。
メーカーは太陽の表面温度を比喩に使い、レイキ窒素は太陽16個分の熱エネルギーに相当するとしています。
有害物質の分解行程
ストリーマ放電により、ストリーマ分解素が生成され有害物質を分解することが分かりましたが
ダイキンではストリーマ分解素の4種類で、「第1次分解」と「第2次分解」というように行程が分かれている事を公表しています。
第1次分解では「OHラジカル」、「酸素ラジカル」、「レイキ酸素」が有害物質の表面を分解するとされており
第2次分解の行程で「レイキ窒素」が有害物質を内部まで分解するとされています。
他社メーカーのイオン発生技術では「OHラジカル」を活用した有害物質の抑制に留まっていますので、レイキ窒素の強力な分解力を兼ね備えているストリーマ技術は内容を詳しく知ることで効果に期待ができる事が分かったのではないでしょうか。
イオン生成技術の必要性
ストリーマ技術は、機器本体内部のフィルターに集塵された有害物質にアプローチを行う技術の為、他社メーカーが行っているイオンを外部へ浮遊させる技術とは仕組みが大きく異なります。
空気清浄機の機能は、吸引力とフィルターの集塵力が重要となり、イオンを浮遊させる技術は効果があるのか疑問に感じている専門家も数多くいらっしゃいます。
しかし家電販売が行われる実際の現場や、商品を比較する消費者からすれば吸引力やフィルターの比較だけでは購入が難しいため、プラスアルファの機能が購入の決めてとなっている事が現実です。
SHARPは「プラズマクラスター」、Panasonicは「ナノイー」といったようにイオン生成の技術は知名度の高い代名詞となっています。
ストリーマ技術は先述しているように、機器本体内部で機能を発揮する技術のため、消費者からすればダイキンだけ室内に浮遊している菌やウイルスは抑制できないの?と差別化されてしまう事にもなりかねません。
ダイキンにも実はイオンを機器外部へ浮遊させる「アクティブプラズマイオン」という技術もありますので合わせてまとめます。
筆者の意見としまして、イオンを生成し外部に浮遊させる技術は浮遊時間が余りにも短い事と、生成される濃度の兼ね合いから大きな効果に期待が持てないのではないかと考察していますので参考程度に目を通してください。
アクティブプラズマイオン
アクティブプラズマイオンは、ダイキンのストリーマ技術によって生成されたストリーマ分解素を機器外部の空気中に放出する仕組みの事です。
4種類あるストリーマ分解素の中でも、「OHラジカル」と「酸素ラジカル」の2種類のみが放出されます。
酸素ラジカルの詳細は不明ですが、OHラジカルは性質上とても不安定な分子になるため1分~2分もすれば消滅してしまう分子となります。
そのため他社メーカーでは、OHラジカルを水のカプセルに詰め込み長時間の浮遊(約10分)を可能にできるようにしたり
マイナスとプラスのイオンをそれぞれ放出し、有害物質に付着したタイミングでマイナスとプラスのイオンが結合することによりOHラジカルに変化する仕組み
というように、OHラジカルが浮遊する時間を長期化したりOHラジカルが生成されるタイミングを考慮することで少しでも効果が得られるような技術になっている事が各メーカー記載されています。
アクティブプラズマイオンに関しては、「OHラジカルとレイキ酸素を放出する。」としか記載がありませんので、実際に期待できる効果があるのかは不明です。
消費者や量販店の販売員に他社メーカーと区別されない為、カタログに載せているイメージアップのストリーマ付随機能と考えていた方がいいかもしれませんね。
ストリーマ技術の検証結果
ストリーマは2003年に開発された歴史ある技術となりますが、様々な検証結果がストリーマ研究所より公開されています。
実証試験の試験方法は、様々な方式が取られているようなので細かい点は公開内容を確認して頂きたいのですが
基本的なイメージとしては、浮遊している菌やウイルスの離しではなく、フィルターに集塵された有害物質にストリーマを照射することで効果が得られた実証試験が主なのでこの点には注意して読み進めてくたさい。
新型コロナウイルスへの効果
新型コロナウイルスに関する実証試験が行われており、ストリーマ照射をすることにより2時間の照射で99.93%不活化される結果が確認されています。
花粉への効果
花粉は春先に飛散しているものと思われがちですが、実は1年中飛散している物質となります。
ストリーマ研究所では、16種類の花粉(スギ、ヒノキ、イネ、ススキ、ホソムギ、オオアワガエリ、ハルガヤ、カモガヤ、アカマツ、クロマツ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、ブタクサ、カナムグラ、シラカバ、イチョウ)を抑制することを検証結果として公表しています。
引用元:ストリーマ研究所
ニオイへの効果
ストリーマ研究所では衣類の生乾き臭や、エアコンから臭う吹き出し臭に関するストリーマ検証結果を公表しています。
ニオイには原因となる菌がそれぞれに存在しており、生乾き臭には「モラクセラ菌」、エアコン内部で発生する臭いには「バシルス、セラチア、アースロバクター」という菌が関係していると証明されています。
ストリーマを照射することによりニオイの原因を数時間で99%以上、分解・除去出来ていることが確認されています。
引用元:ストリーマ研究所
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